佼成4月号「朝が大事」

「日々感謝で目覚め」

 皆さまは、日々感謝で目覚めていらっしゃいますか?

 み教えのお陰様で、日々目覚めることも当たり前ではなく有り難いことと感謝の気持ちをもたれる会員さんも多いと思います。私は、以前は目覚まし時計が鳴り、アドレナリンが身体を駆け巡り目覚める。頭に浮かぶのは、その日の予定ややるべき事等、ストレスに感じることばかりでした。

 ストレスで1日をスタートしたいと思っていなくても、無意識のうちに考えていました。

 会長先生は、朝4時に起床されて、洗面をすませ、最初にされることはご宝前のご本尊の扉を開け、早朝の静かななかで合掌し、礼拝をして、「きょうもまた、元気で仏さまにお会いできた」と新鮮な感慨を覚えるーそうして、一日を感謝でスタートできることが、その日一日をすごす活力の源になっていらっしゃるとお伝えくださっています。

 そして、朝のご供養までの間に古今の教訓や戒めの言葉を朗読し、軽い体操をされておられると、会長先生の朝のご様子が目に浮かぶようです。このような朝の習慣を身につけて過ごすのと、自分の思うままに過ごすことを習慣としているのとでは、人生にどれ程差があるでしょう。

 私達は、ストレスが溜まると活力が低下します。心配ごとを抱え、眠れなくなり、心身の不調にさいなまれることで活力が失われます。しかし、そのような時でも感謝の心を持つと、活力がおのずとわいてきて人生に対し前向きになることができます。それは、感謝の心はドーパミンとセロトニンという自信と意欲を高める“幸せホルモン”のレベルを上げるので、この2つが体内を循環するほど活力に溢れ、苦難や障害を乗り越える力になるからです。

 さらに、教訓や戒めの言葉は声にだして読むだけで気持ちが高揚し、運動はそれをしようと気持ちを前向きにすることに大きな意味があります。朝いちばんに感謝や誓いや運動をとおして心を前向きにすることが大切です。

 先日、教会役員の皆さまと学ばせていただいた教育の講師さんが、毎朝目覚めた時に「目ざめたこの“いのち”に感謝し、この“いのち”を今日一日 多くの人々の幸せのために 己の心(魂)の高まりのために使わせて頂きます」と言って、100円の喜捨をされているお話しをわけてくださいました。それから、毎朝の誓いの言葉にプラスしておりますが、会長先生から教えていただいた通り、声に出すことで気持ちの高まりを感じ前向きになれるので続けてまいりたいと思います。

 それでは次に、私たちが朝を迎える姿勢についてご指導いただきます。

誕生偈ではじめる一日

 私たちは、朝の日課で神仏へのごあいさつ・読経供養をさせていただきます。その際の、礼拝にもご供養にも通じる合掌には、元気と活力につながる着目すべき点があるようです。それは、合掌礼拝が神仏に通じ、ストレスを和らげ、自然治癒力など潜在的な力を引き出す可能性があることです。そして、朝いちばんにまごころをこめて神仏とむきあう合掌ともなれば、帰依心の深まりとともに、持ち前の活気を呼び覚まさすことにつながるとご教示くださっております。

 朝、神仏に合掌させていただくと、厳かな気持ちになり帰依心が深まります。そして、自分自身の菩提心が強くなるのを感じていましたが、合掌が活気を呼び覚ますことにつながっていたからと学ばせていただきました。

 また、「一日は一生の縮図」といわれますが、朝の目覚めは誕生の瞬間そのものです。ですから、「今日ただいま誕生」という新鮮な気持ちで朝を迎えると、日々新たになり、きのうまでのとらわれを離れた前向きな心で一日をはじめることができるのです。

 4月8日は、お釈迦様の誕生をお祝いする「降誕会」です。お釈迦様は、誕生直後に七歩歩いて「天上天下唯我独尊」と言われたと伝えられています。この言葉の意味は、「宇宙に存在するすべてのものは、仏のいのちを具えた尊い存在である」という、人間のいのちの本質的な尊さが教えられた大事なお言葉です。

 4月に入り、庭のクレマチスの花が咲きました。末娘が2年前に購入したものですが、これまで1度も花を咲かせることはありませんでした。枯れても新たに茎が伸び、葉がつくので、水と肥料をあげ続け、初めて咲いた花に娘と歓声を上げて喜び、いのちの尊さを実感しました。出会う人や植物も、みな仏のいのちを具えた尊い存在であり、そのいのちをより輝かせるのは“自分の生き方次第”と心から思いました。

 「朝の目覚めは誕生の瞬間そのもの」なので、誕生偈にこめられた「あなたはすばらしい」という釈尊の励ましを受けて、朝のスタートをきることにいたしましょう。

 私の今月の目標は、①朝いちばんに感謝や誓いや運動をとおして心を前向きにする②「あなたはすばらしい」という気持ちで、朝のあいさつを実践する③出会う方に、ご自身の尊さを感じていただくふれあいをするとしました。今月も共に元気に精進をさせていただきましょう。